兎波走り

死にたくない

ベニヤとコーヒーと業界人の話

「オシャレ業界人」になりたかったので、かなり頑張ってきた。

 

・マガジンハウス全般…「あえて」の純喫茶や町中華、外国で修行を積んだ店主のコーヒー、文京区の隠れ家カフェ、アクセス悪いけどチーズケーキが絶品なんだよ

 

・映画…タランティーノ?結局映画オタクだから好きな映画リストはつかえるよね(笑)フランス映画は”ゴダール”以前の”系譜”も。岩波アップリンク写美にラピュタ、1日だけの監督来日トークショーはドヤりチャンスだから辺境映画祭で差をつけて!でもやっぱり溝口の映像美、もっと評価されていいと思うんだよね〜〜

 

・お洋服…今季のパリコレもう見た?就任してから初めてのA/Wだけど全然よくないよね〜ガリアーノ戻ってこないかなぁAPCのデニム買っちゃったでも結局「オーセンティック」なブランドが長く使えるんだよね。

 

・「あえて」の古楽民族音楽ニューエイジ、ノイズ…この間〜がブルーノート来てたの行きたかったなあ、レーベルで買ってるけどあそこプロデューサー一緒だからさあ?今度谷中で友達がイベントやるから聴きにいこーよぉ

 

ビエンナーレトリエンナーレイームズの椅子にコルビジェ様、雑誌に載らない通の店、若い時は遊んだけど今は「ていねいな暮らし」かな?ユニクロ無印って質いいよねこの間行ってびっくりしちゃった、もう全部あれでいいよね〜

 

雑誌に載ってる人たちの使ってるもの、実際にカフェで隣り合った「そういう」人たちの話の中身持ってるカバン、靴、話す内容を真似して、真似して、ストレートボールじゃ敵わないから「あえての」ルートでなんとか外側を塗りたくって頑張って、かっこよくなりたかった、のに。


この間新しくビルに入ったお店に行った。

菜食主義者対応の大豆でできたお肉しか出さない(※少し検索避けてます)「あえて」のださ内装で、「あえて」の昭和レトロで。ぺらっぺらの合板でできたお店には赤文字雑誌からWebメディアまでお取材が1日に3件あって繁盛していた。お昼には美大系アーティな女性シンガーが急遽インタビューでご来店。自分貫いてる系古着Mixコーデでお連れは全身Yohjiに濡れ髪外ハネ赤リップの取材の皆様で。「んー前はたくさん服とか買っちゃったけど最近は全然ー」「昼の光とか好きでー」とかお話しされて帰った後には近くのスペシャリティコーヒーの飲み終わりカップが床の角に隠しておいてあって、机にも同じカップが1個。お店の人が「あの子うちの社長の彼女(アパレル系おしゃインスタグラマー)さんと仲良いから来てくれたのかな?」て教えてくれた。

 

私が中学生高校生の時憧れてた「業界人」しかいない空間に私もいたんだけど、なんか嘘じゃん、と思ってしまい、そう思った自分に結構ショックを受けていた。このベニヤと銀紙でできた田舎の文化祭みたいな空間から早く帰りたくて、でもこの期に及んでまだ、ここの人たちと繋がってたらなんかあるかも、とちょっとだけどっかで一瞬迷った自分もみじめだった。

 


おかしいな、かっこよくなってるはずだったんだが?

 

コーヒーは飲めないしアルコールも受けつけない。服はパーカージーンズで1年過ごしたい。映画は爆発してればテンション上がる。美味しいご飯は好きだけど、産地がどうとか説明されると落ち着いて食べれないからあっちいってて欲しい。APCの2万のデニムは家帰って履いた瞬間、銀メッキのボタンがもげて返品した。

 

「嘘」と思ってしまったのでこれから私はかなりかっこ悪くなるのかもしれない。雑誌に載るような人間にはなれないのかもしれない。やだ、全然まだかっこよくなりたい。けどなんか前目指してたのとちょっと違うかもとなってきている。いやでもこうやって違うとか言ってるのも「あえて」のかっこいいをやってるのかもしれない。

 

正直「あえて」をやりすぎて「やって」ない行為がなんなのか自分でもわからなくなってきている。でももうマガジンハウスにはだまされたくないぞ、というだけの話。うわ〜マガジンハウスに反抗してる私、かっこい〜〜〜〜

 

 

もう俺ぁなにがなんなのかわかんなくなってきてんだ(飲んでいた焼酎を頭から浴びる)